PAC定演。マエストロ井上の音楽

久々に、Naokiが、定演でティンパニ担当し、
これ又久しぶりのマエストロ井上のショスタコという事で、
ウキウキしながら、それでもちょっと後ろ髪を引かれる気持ちもあったが、出かけていった。。。

後ろ髪・・・と言うのは、偶然、定演の日曜日券を年間で買っているので、仕方のない事だけど、
震災から丁度1年のその日だったから。。。

又、テーマが死と生というもの。。。
泣いちゃうかも。。。との思いもあった。。。


いつものように、メンバーが舞台に上がり、井上さんがスッと出てらした。
普通なら、即演奏に移るが・・・
『今日のこの日。皆さんで、東日本大震災。
そして、阪神淡路大震災で被災された方の事も思って、黙祷しましょう！』
と、会場数千人の心を一つに、マエストロ井上の言葉で、黙祷した。。。

『ハイ。では、この気持ちから新たに、曲を演奏する気持ちにして、もう1度舞台に上がります！』
と言って、メンバーも井上さんも、舞台から消えて、もう1度改めて、登場！
新たに、ショスタコの世界が始まった。。。

今回は、ショスタコ15曲の交響曲を完遂したマエストロ井上が、
ソプラノ：アンナ・シャファジンスカヤ
バス：ニコライ・ディデンコ
のソリストを迎え、
選んだショスタコ14番

全く、曲を知らない私にとって、何故これが最後でなく、最初に演奏されるのか？
良く掴めなかった。。。

又、メンバーは、声楽＋弦楽器＋打楽器にのみの小編成

素晴らしい弦楽器の音色から始まり、ソプラノ・バスの歌声で、『死』と言うものが、語られていく。。。

11楽章にも及び、色んな話から、『死』と言うものに対峙していく。。。
演奏も、ストイックで、不協和音のような難しい演奏。。。
打楽器も、そのムードを引き立てて、一瞬を切取るかのように、盛り上げていく。

晩年に書かれたショスタコの楽曲な事も有ってか、
私の思っていたショスタコの交響曲のイメージとは違い、
現代曲のイメージの強い楽曲だった。。。

ただ、演奏自体は、とても素晴らしく、PACオケにも、ソリストにも、巧さを感じた！


そして、休憩後、いよいよNaokiの登場！
又、前半とはうって変わって、見事なまでの大編成！！！
打楽器だけでも、7名！

今度は、『生』をテーマにしている事。
人間としての、ハツラツなものを、後半に、希望を繋げる意図があったのか！？と、納得した。

R.．シュトラウス：サロメの踊り（楽劇『サロメ』より）op.54

先ほどとはうって変わって、舞台に登場したマエストロ井上は、
拍手の中、にこやかに中央に進み出たかと思ったら、
サッとオケに向かって振り返り、
即。Naokiのティンパニとかの演奏が、始まった！
正に、マエストロ井上の舞台劇！？の始まりです！！！

王女サロメが、狂気をはらんだ舞で、
7つのベールを脱いでいく官能的なシーンの演奏は、
音色も楽曲も、それは多彩で、魅力的！！！
観客の注目を、他に向けるいとまも与えず、
踊りに魅了されるがごとく、きらびやかに終わった。。。


ラヴェル：ラ・ヴァルス

満足の中、今度は、パリの香りイッパイのラヴェルのワルツ
舞踏会に招かれたような、ゆったりしてて、それでいて背筋のピンと伸びた品の良さ
マエストロ井上は、ある時は、踊るかのような指揮振り。。。
また、これが、彼だから、しっかり決まる！

PACも、ナカナカ上質の演奏！
にこやかになれる、優しい音楽。。。

これも、音楽の本質なのかと思う！

何度かの拍手の中、
あまりアンコールが得意でない？マエストロ井上は、
最後には、バレエのターンを、２．３回して、お辞儀をして決めた。
アンコールの曲も演奏して下さって、
泣き顔ではなく、人間の讃歌を聴いたような、明るい気分で終われたのは、
とっても嬉しかった！


Naokiのティンパニも良かったけど、もう1人のコアメンバージョエルの打楽器も秀悦！
水を得た魚のように、見事な演奏だった。。。

いつものメンバーに加え、元京響首席ティンパニストの奥村先生。
札響の打楽器メンバーの大家和樹君も加わって、
それは魅力的な布陣だった。。。

さて。。。
そんな魅力的な演奏会の様子を聞いたこの方は・・・・

















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